その日の「ただいま」はいつもと違っていた。
何がというか、何かが違っていたとしか表現できない。
何かあったな、とピンときた。
2階に上がるのを待って、聞いてみた。
「どうした?何かあったね。我慢できんことがあったんと違う?
○○は優しいけど、頭にきた時は怒っていいんだよ。いや、怒らないと
いかんと思うよ。話してくれるかなあ、、、」
実際には深呼吸をして、ゆっくりゆっくりと。
物静かで、何でも我慢してしまう、争い事が嫌いで大きな声も滅多に出さない。
我が道を行くタイプなので、ときどき周りとズレることもある。
自分でも知らないうちに、他人を傷つけているかもしれない。
しかし、真面目で優しい、シャイな子だ。
ポツポツと話し出した内容は、いじめだった。
すれ違いざまにイヤなことを言う
他のクラスからわざわざ来て、いきなり筆箱の中身をぶちまける、中傷する言葉でからかう
部活動のキャプテンだったことが気に入らないのか、同じ部活内でも陰湿ないじめ
準備、片づけを協力しない(わざとボールを外に投げて、「キャプテンだろ、責任もって拾ってこい!」
、、、、、、
、、、、、、
毎日そんなことがあったなんて、知らなかった。
辛かっただろう、、、
気がつかなかった事を子供に謝った。
新学期始まって間もない頃だった。
役員をしていた私は、少なからず先生と面識があったが、体裁を考えてる場合じゃない。
しかし、ここで感情的になってはいけない。
①まず、子供の言い分、誰に何をされるのが嫌なのか、どうしてもらいたいのか、を箇条書きにした。
(パソコンで打ってプリントアウトした方が良い、原稿が保存されてるから)
②そして次に、きちんと見える服に着替えた。(見た目は大事、本気であることを分かってもらう。
出来れば両親揃った方が良い)
③夜の8時だったが、すぐに学校へ出向いた。誰かいるだろうと思って。
運よく、担任、部活動顧問に学年主任の先生が集まってくれた。
④日頃愛想の良い私が真剣な表情で、こんな時間にわざわざ学校に来たのだ。
何事かと思ったに違いない。(これが大事、こちらは真剣なんだと分かってもらわないといけない)
⑤第1に、日頃お世話になっている事を伝える。
第2に、箇条書きのものを見せ、静かに(感情的にならない)現状を伝える。
第3に、本人が楽しく学校に来られるように、どうか改善をして欲しいと、丁寧にお願いする。
⑥「もし改善が見られなかったら、他に相談のあてがあるので、そちらに相談してみます。」
と、静かに落ち着いて、しっかり目の前の先生方の目を見て伝えます。
⑦「お忙しいとは重々承知の上ですが、どうぞよろしくお願い致します。」
と、最後にもう一度日頃の先生の激務を労り、さらに丁寧に、凛と目を見てお願いする。
子供はなかなか「いじめ」について言わない。
しかし、SOS はどこかで出している。
早期発見がカギ
発見したら即行動
先生と一緒に協力
体裁は捨てる覚悟をする。
事あるごとに学年主任の先生も気にかけてくださり、いじめは少なくとも表面的には無くなった。
上手くいった例かもしれないが、今だに子供はその頃のことを話したがらない。
ましてや、加害者の名前を出すととても嫌がる。フラッシュバックするのだ。
それほどいじめは人の心に傷をつける。0にはならない。
腹を括って立ち向かった方がいい。
腹を括った態度を子供は見ている。
いっしょに ゆっくり poco a poco
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